令和７年最低賃金の速報と気になるポイント

昨日になりますが令和７年の最低賃金の答申がまとめられ速報が出ました。目安は”全国平均で時給1118円”、引き上げ額はまたしても過去最大を更新する見込みということです。目安通りに改定されれば初めて全都道府県で時給1000円を超えることとなります。政府がかかげている目標は「2020年代のうちに1500円」ということで2020年代も中盤ですがまだまだ上げていく気配もあります。

　当法人のある福岡県は昨年10月、最低賃金が941円から992円に大幅アップしたばかりです。当時より多くの顧問先からご相談がありすでに時給1000円を採用される顧問先がほとんどとなりました。

　設備投資などほかの要件と合わせて「業務改善助成金」を活用される顧問先もあり、当法人としても助成金の申請業務ばかりでなく、前段階となる助成金の要件変更情報の提供や、準備としての就業規則の見直しなど顧問先のお力添えができる場面が増える時期でもあります。

　給与実務の場面で質問が多かったのが、「いつから新しい時給に上げるのか」でした。都道府県ごとの「発効日」があり昨年の福岡県は10月5日でしたが、では10月5日の実働分から変更するか？となると、給与の計算期間に2つの時給計算が存在することになり給与計算が複雑になります。ご案内した結果、すべての顧問先が10月5日を含む計算期間全体の時給を上げるという判断をされました。

　また、意外と見落とされがちなのが月給日給従業員の最低賃金です。最低賃金のための時給計算に入れる手当はどれなのかが意外と間違えやすく、また時給計算の際の分母（月の所定労働時間）も企業によって全く同じではありませんので給与計算をしている顧問先様へは前もって昇給の対象となりそうな従業員の方に関してのお声がけをしています。

　私の青春時代の時給は600円でした。若い方からすると「どれだけ昔の話？」と思われるかもしれませんが自分で調べてみてもびっくり！福岡の時給が700円を超えたのはなんと2012年でした。体感よりずっと長く続いていた時給600円台の世代からすると今の時給1000円時代はまだ感覚が追いついてないのが正直なところです。来年アルバイトを始めるであろうわが子の方が、すっと当たり前のように受け入れそうではあります。これもジェネレーションギャップといわれてしまうのでしょうか。（N友）